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  • 執筆者の写真まんがたり前田

イベントレポ:田中圭一×鍋島雅治×村松充裕×大坪ケムタ 「漫画業界の今と未来について語ろう~『良い作品』を作るだけでクリエイターは生き残れるのか?」




田中圭一先生のサイン!! ギャー!!!家宝!!! ということで、マンガ家業界の裏をヤンマガ副編集長もいる中で笑、がっつり聞けちゃうリッチなイベントに行ってきましたレポ!


# 前提

- http://bookandbeer.com/event/20180607/

- 田中圭一×鍋島雅治×村松充裕×大坪ケムタ - 「漫画業界の今と未来について語ろう~『良い作品』を作るだけでクリエイターは生き残れるのか?」


のイベントに参加してきました!



# 感想

- 結論的には「ぶっちゃけすぎでしょ笑」という内容笑

- マンガ家さんが出版社にガンガン突っ込んじゃう、マンガ家業界の裏側を聞けて満足

- 自分がやろうとしている「マンガ家向けの芸能事務所」は間違ってない仮説だな、と再認識しました


---以下、講演会のメモ---


# 電子書籍と通常販売の違い

- 電子書籍って売れた分だけ入る

- しかも、%は「販売価格」に対して。

- kindleとかよく「セール」するけど、そのセールに対して%

- 通常販売は「刷った分だけ」売れる

- ちなみにコンビニ販売は売れた分だけ

- 大手は10%印税くらい。中小だと7%印税とか少ない。


# ネットマンガ家が一回販売すると、売れた分が全出版社に知れ渡る

- 例えばTwitterでネットマンガ家を編集がスカウトする

- まずは描き下ろしでやってみて→原稿料入らない

- 10,000部刷ろうとしたけど、ちょっときついから7,000部になった

- 結局売れたのは3,000部で終わり

- こうなると、もう他の企業から声がかからない

- なんでかって、この人売れて3,000部程度の人だとレッテルを貼るから

- そうやって、だめだったら次の人に行く。焼き畑農業的に、マンガ家を使い捨てる

- これだとマンガ家って育たない

- 出版社に体力がないと、こればっかり

- 逆に、いま最近できている「pixiv fanbox」や「note」のほうが中抜きが少ない★

- 一冊100円で売って、3,000人に売れたら、300,000円 / 月になっちゃう

- これだと出版社に繋がるメリットないよね。

- 出版社が印税10%になると、10倍売ってくれないと無理だと思う

- だから、今後は「芸能事務所」みたいなことにならないと無理だと思う


# やっぱりこれからはマンガ家エージェント、芸能事務所がはやる

- 田中先生:うつヌケは初めて30万部売れた。

- 今までは10万部がマックスだった

- これは、編集の人の力が、できる編集さんと組むことで、ネームを作り直した

- その上で、販売する人がうまかった

- 編集者で、作品は結構変わる。絶対に変わる。これは読者の人が思う以上にそう。

- ネームが素晴らしいのが大事。

- ネーム力がすごいってのは、漫画を読んで「構成がすごい」と思うまんが

- 他のまんがはたいしたことないのに、すごく面白いマンガがポッとあるのは、編集さんの力だよね

- 編集はもっとアピールすることが大事。


# 編集者にもスカウターとか力がわかるように、見える化していいよね

- Days neoは編集者を選べる

- これは新人にすごく進められる

- https://daysneo.com/

- 編集さんとのマッチングが進むといいよね

- あれは、編集者のポートフォリオも兼ねている★


# 雑誌によって欲しいいらないってあるよね

- マンガ家にとって、Days neoは新しいシステム

- むかしは、マンガ家は編集とのマッチは、持ち込みしたり電話したり、そういったコトしたときに「偶然」出会った人とマッチするだけ

- そういう意味で、例えるとチェンジのないキャバクラ

- 担当者をチェンジできるといいよね

- 編集者は「あとは新人やるから」というチェンジが合ったから辛いよね


# 漫画村の影響

- 売れているマンガはすごく影響があった

- 2〜3万部くらいは影響なかった。好きな人が見ていただけだから

- 100万部とか売れてたマンガは、ライト層がすごく見られて、売上が半分以下になった

- 今はだいぶ戻った

- 漫画村は大変


# 中国人はすごくマンガが上手

- そういった意味で、海外の人は海賊版で全部無料で見ていた

- だから、練習できた

- 今、おとなになって無料で読むことって本当に困ること、自分がマンガを描くようになってわかった

- だからこそマンガを買っていこうと思っています。

- 30代以上は海賊版で読む、20代以下は課金で読む

- そういったリテラシーが中国が育ってきている

- 韓国も同じ

# 新しい流通や方法を作らないといけない。それは出版社としてもそう思っている

- 今ぶち壊している

- 自分たちが現状の利権に食らいついても無理


# 直販ができる今は新しい世の中

- 直販が大事だと、マンガ家の生徒にも教えている

- 出版社は今バリエーションがない

- マンガを紙でする / 電子書籍

- の2パターンしかない

- 新しいカタチは色んな売り方がある★

- pixivfanboxもそうだよね

- サロン形式もあるよね

- 明治、大正と同じ形式だよね


# 芸能事務所方式がいいよね

- 売り方を提案して上げることが大事だよね

- マンガ家はそこが苦手だから、出版社で教えてあげないとだめだよね

- noteにも「クリエイターコンサルティング/マネージング」のサービスを提供し初めた

- fanboxとかコンサルとか、出版社が持たないとまずい

- 直販 / 紙の販売 / 電子書籍 / マネージャー / コンサルティング・・・

- 全部やってくれたら良いと思う

- 過去、出版社さんがやってたのは「編集者の個人芸」だった

- すごい編集者がいたら、背中を見て育つ、という職人芸だった

- もっとシステム化しないといけない

- スター編集者がいるよ、となればいいなと思う★


# 韓国中国は、日本の未来系だと思う

- プラットフォームがある、プロダクションがある、マンガ家がある

- プラットフォームでマンガを出せる(くそでかいのがある)

- プロダクションがマンガ家エージェント(10人ちょっとくらい

- マンガ家が描くことだけ

- 日本は「プロダクション」がない。出版社が強すぎる

- その上で、出版社が「両方」を持っていることで動きが思い

- 韓国ではプラットフォームが強い

- 漫画を描く人、吹き出しを整理する人、色をつける人が分業している


# デバイスがこのままの形で、縦スクロールマンガしかないのか?

- そんなことはないと思う

- 本の形式のデバイスができると思う

- だから、その形式ができても描けるようにに心の準備はしたほうがいい

- VRもある

- 韓国だと、選択肢を選んで3Dで進むマンガもある

- キングダムはスマホだと見れないよ

- Webは広大なマンガとか、ファンタジーとかスポーツが難しい

- 少ない人間関係には向いている

- 上記は、見開きが良いよね。広大なのは見開きが勢いがある

- 人間の視覚は横長だよね

- 映画もそうだし。だから結果横長に戻ると思う

- 東村アキコさんはけど、めっちゃ頭いいんだよね

- 縦スクロールマンガを描いているんだよね

- 講師してたときに話してたのは「横長はコミカル」「縦長はシリアス」何だと言っていた

- 少女漫画でも、コミカルな喧嘩は横長のコマがちょこちょことある

- けど、告白シーンとかは「縦長」である

- だからすごい。論理的だよね

- これは視点の違い

- 目が横についているので、横のほうがすぐに見れる。全体を把握できる

- 縦は、時間が掛かるし、考える。心象を考える。

- 宮崎駿も言っていた

- 高さは観客に簡単に認識させられる

- だから、空からドキドキする王女が落ちてくる

- ホラー漫画は見開きが大事

- 目の端に入っていたらドキドキしないから

- 何故か4コマ漫画って、Web形式ならないよね。

- なんでだろ?親和性ありそうだけど

- やっぱり心理描写違うから

- 今は縦スクロールの面白い演出がたくさんある

- すごいよね

- 正直、もう今の若い人は雑誌を見れない

- 白黒の見開きのマンガの読み方わからないよね

- もう10代は、場面転換が飛んだらわからない


---【前半ここまで / 後半はここから!】---



# マンガ業界の進み方の速さ

- どう変わっていくかは全然わからない

- ちょっと前まで、ガラケーで漫画見てたときは大変だった

- 3年前はネットでしか漫画を書いていないと言ったら「鼻で笑われた」

- ネットマンガ家はマンガ家と違うと言われてきた

- その頃は食べていけなかった

- だから、全然わからない。先を見ることが大事


# 突然むかしのマンガがバズる

- web上においておくと、ワンチャンあるよね

- 昔の漫画置いておくと、「ちょっと興味がある」ってなってすごく流行る時がある

- そういう意味で全然わからないよね

- やっぱりむかしのマンガはすごくちょこちょこ流行る

- 時代を超えてむかしのマンガは伝わる


# 最近良く言われるのは「出会ったときが新作」

- 20年前に描かれたマンガでも、読み手が初めてあったら「新作」なんです

- だから、ちょっと前のマンガのほうが、知名度が低いほうが面白いってなったりする


# キュレーションシステムが大事

- マンガを進める人が大事になってくると思う

- マンガを好きな人が、同じように好きなマンガを持っている人からおすすめしてくれると良いと思っている

- 前から思っているのはamazonのリコメンドは「要素が違う」んだよね

- いい漫画にもっと出会いたい


# 高校生の時に読みたかった、聞きたかったマンガがあるよね

- それに出会えない。

- コンサルとか検索エンジンがほしい

- 北海道でマンガを送ったら2万円でおすすめマンガを送ってくれるサービスが有る

- 自分に合ったひとがほしいよね〜

- マンガのリコメンドをしてほしい★


# むかしは雑誌で文脈が作れていた

- 今はマンガがバラバラに存在していてつながりがない

- 前はマガジンってこれだよね、ジャンプってこれだよねってことないよね

- 今はそれがないので、雑誌がないからこそ、集める事が大事★


# 自分のマンガの予告編マンガを2ページで作るってのあり

- そういったアオリでポチッと買わせるというのが合っていいと思うよね

- 他の業界の人をもっと誘ったほうが良いよね

- 化粧品のマーケティングの人が作った売り方で、USJが売れた。そういうのが必要


# 同人誌をやったらわかったことがたくさんある

- ディスプレイ、ポスター、表紙の色など、どうしたら手にとってくれるのか?

- 多くの人が売っている同人会場で勉強になる

- だからこそ、外部の人と組む必要がある

- これはマンガを描いているだけの時期にはわからなかった


# ネットマンガ家が強いのはTwitter芸人だけ??

- コルクの佐渡島さんとかも言っていたがTwitterがまだ4コマとかしか強くない流行らない

- それだけだと微妙だよね

- もっと、pixivにリンク飛ばすとかすべきだよね

- 長編漫画家が生まれないのではないかと思う

- いや、けど4コマ上手い人は長編うまい


# 最近「消費されるマンガ」が多い

- あるある系、感動系、とかが多い

- これらは「消費されるマンガ」で、Twitterはそういうのが多い

- 正直長く続けるのが難しいし、長く売れない

- だから長く続けるものがどうしたらいいか考えるようにしてほしい


# ゴールデンカムイは5年前だともっと売れた、と思う

- クオリティがすごく高いよね。

- その上で、売れる量が減ってきている

- だからこそ、もっと売れる道を作れる、売る方法を展開できるビジネススキルを持っている人が必要

- 多様性が増えている。マンガの流れって昔は王道ってあった。

- 今は、編集会議で没になったものをネットにあげたらブレイクするってのもある

- ネットでマンガを沢山アップできるようになったのは良いことしかないよね


# ネットで漫画がアップできることはプロレスで言う「コール・アンド・レスポンス」だよね

- 編集に見せるなら、一話ネットにあげて、反響があるがあるか見たら良いと思う

- その上で、人気が出たら連載したら良い

- 編集が見て「良いと思う」というのが、ネットで反響したら「さすが!」ってなるだけ

- 編集がボツってなっても、面白いなら良いよねってなるなら、可能性が増える


# モー娘。やAKBを育てるようにマンガ家を育てる

- もっと成長していく途中を見せると面白い

- ちょっとしたアドバイスで、大化けする人っている。事実いる

- そこは、「マンガ家に編集がどうアドバイスしたか?」ということでどう変わっていったか?という過程を見せる

- それがおもしろくなったら、それは素晴らしいよね、編集者すごいってなる


# マンガ家入門って「Gペン」とかじゃなくて「ネーム技本」作るべき

- 別に一個しか方法がないわけじゃない

- ネーム技法って人ごとに違っていい。何個もあっていい

- だから、どんどんマンガ作り方の手法をもっといっぱい作ったら良い。足りない

- 押井守さんの「演出ノート」とか面白かった

- https://www.amazon.co.jp/Methods%E2%80%95%E6%8A%BC%E4%BA%95%E5%AE%88%E3%80%8C%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC2%E3%80%8D%E6%BC%94%E5%87%BA%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88-%E6%8A%BC%E4%BA%95-%E5%AE%88/dp/4048524984

- こういったものって、プロのマンガ家が描けないかも、感覚とかできて当然

- だからこそ、出版社とか編集者のほうが良いと思う


# 編集って「ものが生まれる」瞬間に立ち会うのが1番多くある機会をもつ職業

- 映画よりもコストも少なく、関係者も少なくマンガを作れるから


# 質問

## マンガ即売会イベントを運営している人

- プロとしてやっている人は宣伝しかない、同人誌のほうが売上が大きい。そんななか、同人誌業界と商業誌、どうなるかと考えてますか?

- 同人誌あがりよこせよ、ってなっちゃうことが危惧している。今のまま続かないと思う。二次創作がなくなっていくかも知れないのが怖い

- 田中先生:もはや同人2回の収入が生活費のほとんど。

- 同人誌がなくなると食べられなくなる人がすごく増える。はやくnoteとかにいければと思う



## どうやったらマンガ家さんに収入源の一つを提供できるか?(前田の質問)

- スポットでマンガを描くのがたくさんある。それしたらいいと思う。

- 「すきま」ってやつがいいと思う!チャンスがたくさんあると思う

- fanboxが良いと思う。投げ銭が大事


## マンガ家の中で変な上下関係とか業界的な圧力とかあるんですか?

- ないです笑

- 落語とか先輩が後輩を潰すとかあるのだが、漫画界は人気がすべてだよね笑


## pixivfanboxはエロがほとんどについて

- エロの場所と定着してしまうと悲しいのだが、どう思いますか?

- コミケがそうだったよね。昔の30年前がエロばかりだった

- エロじゃないのが壁になっていった

- つまり、今後普通のも売れていくよね

- fanboxはそこまでeroじゃないってなるんじゃないのかな?

- あとは入り口見えると良いんだけどね

- TSUTAYAみたいになっていくと思うよ。18禁は別になると思うよ


# まとめ

- ヤンジャン編集者の方:出版社は課題が多いのだが、過渡期と思って頑張っています。Days絡みで期待してください

- 田中圭一先生:私は64歳で、悔しい。もっと元気だったらもっといろいろしたい。悲観しないで楽しんでほしい

- 鍋島先生:左に同じ。といいつつ、色々やってみる。若い人にもっと色々伝えていきたいと思っている



ということで、最後は「うつヌケ」にサインも貰っちゃいながら、質問した「マンガ家に対してどうしたら、もっと収入を得る方法があるか?」などを雑談しながらサインを貰っちゃいました笑

質問したことで、他の参加者の方からもお名刺もらったり、新しいコミュニケーションのきっかけもある、最高のイベントでした!!




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